阿曇・安曇族アヅミの由来諸説 

 amatumoti                吉田東吾(大日本地名辞典)

 watatumi(綿津見)             丹羽基二(姓氏の語源)

 アマツミ(海積)の約 amatumi
    
積は 山積・出雲積などと同じカバネ(姓)の一種 太田 亮(姓氏家系大辞典)

 アは大で広い意 ツミは オシホミミの命(大海の王)のミミに対して
             
海浜の王に冠した称号  宮崎康平(まぼろしの邪馬台国)

 ワタツミがあって アマツミがあるのは合点できないとして 
  アは意味のない接頭語 ツミはスミで 
潜る漁法に関係する 谷川健一(日本の地名)

 ワダツミから転じたとするのはおかしいとして
  崖・傾斜地などを意味する
地形のアヅ系の地名 楠原裕介他(古代地名語源辞典)


 (注) 「地名には由来起源が不明なものが多い山口恵一郎(地名を考える)


「曇」は 漢音でタン 呉音でドン 日本語で読む訓だとクモル

      
713年(和銅六年) 風土記編纂で 「郡・郷の名称は好字をつけよ」
     
 と命令がくだる。 ただし 好字の定義はなかった。

      
字画が多いものも 二文字で表すことも好字 (吉野裕「風土記」)
      曇の字は dharmaを音訳して曇摩と当てる好字 だから高僧に付ける
 

      
安曇族が 好字の「曇」の字を当て 
      
さらに 「○○さん」に当たる阿の字を付けて二文字としたことは 

      
呉出身の安曇族を (dom)のドンさん と呼んでいた可能性あり
      
57年に 後漢の光武帝から金印を授受したとき

     
奴国の使者が ドン(dom)国から来たと自己紹介した 
     
音が小さい「ン」を省き「ド」として 卑しい文字の「奴」を当てた

     
「奴」は呉音で「ヌ」だから 安曇族はヌコクと読み 
    
ヌがナになり 好字の那を当て さらに二文字の好字で那珂とした
        
ドン → ド → 奴 → ヌ → ナ 
    
滋賀県の安曇川は 本来 adom-gawa ン(m)は ム(mu)に転じ
     adom → adomu さらに adumu → adumi に転じた      


    以上のように考えると 一連の安曇族関係が読める?  
  

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